150年の学校の歴史⑮
1968年3月 卒業の方
好きな先生は、毎朝、赤い車でやってくる。口調はハキハキ、性格は字にも現れていた。ある日、自分がクラスメートに放った言葉が、相手に対して思いやりに欠けていた。それを聞いていた先生は、自分を叱った。ハッと気づかせてくれた恩師である。
年に一度の楽しみは先生からの年賀状、いつも励ましてくれる。それが、うれしい。そんな気持ちから、自分の今の様子を綴った年賀の挨拶は五〇年続いた。十年前、仙台に移住した先生に何度か会いに行った。それを機会に手紙のやりとりも数年した。「もう字が書けなくなり、返事が書けないからよこさなくていい」と言われたが、年賀状と訪問はコロナ前まで。
今でも、先生からの手紙は机の上にあり、自分を見守り、励まし続けてくれている。そんな自分は、「相も変わらず鶴頭桜、鳴瀬の流れを見て暮らす」。 黄色い帽子は、菜の花のように美しかったです。